LP制作会社は、自社の目的を理解してくれるか、必要な作業を任せられるか、実績の条件を説明できるか、担当体制と公開後の対応が明確かを確認して選びます。デザインの好みや価格だけで決めず、同じ依頼条件で提案と回答を比べることが大切です。
「実績が多い会社なら安心」「安い会社は避けるべき」といった基準だけでは、自社に合う依頼先は判断できません。原稿から相談したいのか、決まった内容を形にしてほしいのかによっても、必要な支援は変わります。
この記事では、初めてLP制作を依頼する方に向けて、候補を探す前の整理、実績の見方、相談時の質問、比較方法を解説します。特定の制作会社を順位付けする記事ではなく、自社で判断するための基準をまとめたものです。
LP制作会社は、6つの項目で比較する
LPは、商品やサービスを説明して、問い合わせ・資料請求・購入などにつなげるページです。見た目を整えるだけでなく、必要な情報を伝え、申込先まで使える状態にするための相手を選びます。
| 比較項目 | 確認したいこと | 判断の材料 |
|---|---|---|
| 目的の理解 | 誰に何を伝え、どんな行動を求めるか | ヒアリング内容と提案理由 |
| 実績との適合 | 近い課題に対応した経験と担当範囲 | 事例の背景、制作物、説明 |
| 制作範囲 | 企画・原稿・素材・実装・公開をどこまで任せるか | 見積書と作業範囲の説明 |
| 担当体制 | 連絡窓口、実務担当、確認と判断の進め方 | 担当者の役割と進行予定 |
| 修正・納品 | 変更の扱い、受け取るデータ、更新方法 | 修正条件と納品物の一覧 |
| 公開後の対応 | 不具合、情報更新、計測、改善の担当 | 対応範囲、期間、費用 |
すべての会社に、すべての業務を依頼する必要はありません。広告運用や原稿作成を社内でできるなら、制作部分に絞って依頼する方法もあります。自社に足りない役割を補えるかが選ぶ基準になります。
候補を探す前に、目的と依頼したい範囲を整理する
何を完成させたいかを一文にする
まずは「誰に、何を説明し、何をしてもらいたいか」を書きます。「法人の担当者にサービスの対応範囲を伝え、個別相談を申し込んでもらう」のように、完成後の使い方がわかる形にします。
広告、検索、SNS、既存顧客への案内など、訪問してもらう経路も共有します。すでにサービスを知っている人と初めて見る人では、必要な説明が異なるためです。
目的が決まっていなければ、その整理から依頼したいと伝えます。曖昧な部分を隠して見積もりを取るより、何を一緒に考えてほしいかを明確にする方が、必要な支援を比較できます。
自社でできることと任せたいことを分ける
原稿、写真、ロゴ、事例、フォーム、公開環境について、用意できるものを整理します。原稿が完成している場合と、商品資料しかない場合では、必要な作業が変わります。
社内に確認担当者がいるか、公開後の更新を誰が行うかも考えます。「すべて任せたい」という場合でも、サービスの事実確認や公開の判断、問い合わせへの対応など、自社が担う役割は残ります。
必須条件と相談できる条件を分ける
公開時期、予算、必要な機能、更新方法などを整理します。たとえばイベントの案内日が決まっているなら日程は重要な条件ですが、装飾や演出は相談できるかもしれません。
候補を探す際は、公式サイトのサービス内容や事例を見て、この条件に合いそうかを確認します。紹介や比較記事を入口にする場合も、実際に依頼できる範囲は各社の公式情報と相談時の回答で確かめます。
制作実績は、見た目に加えて「条件」と「担当範囲」を見る
同じ業界かだけでなく、課題が近いか
同業種の経験があると、商品や顧客の事情を共有しやすい場合があります。ただし、同じ業界でも、低価格の商品販売と、個別提案が必要な法人サービスでは、説明や申込方法が異なります。
対象者、購入までの検討期間、流入経路、申込行動などが近い事例を聞きます。業界が違っても、複雑なサービスの説明や、相談前の不安を解消する設計に経験があるなら、参考になることがあります。
その会社が何を担当したかを聞く
掲載されているLPを見ただけでは、原稿から制作したのか、デザインだけなのか、広告運用も担当したのかはわかりません。「この事例では、どこからどこまで担当しましたか」と確認します。
また、実績の担当者と今回の担当者が同じとは限りません。過去の知見を今回のチームでどう共有するのかも聞くと、会社の実績と現在の体制をつなげて判断できます。
成果の数字には、期間と測り方がある
「問い合わせが増えた」などの説明がある場合は、何を問い合わせとして数えたか、いつからいつまでを比較したか、広告や商品条件も変わっていないかを確認します。
数字の改善が、LPだけによるものとは限りません。同じ事例でも、広告費や対象者、季節、計測方法が変われば結果に影響します。自社でも同じ成果が出ると受け取らず、課題に対して何を考え、どんな施策を行ったかを聞きましょう。
公開できる事例が少ない場合の見方
守秘義務などの理由で、すべての制作物や数字を公開できないこともあります。非公開だからといって直ちに経験がないとは判断できません。説明できる範囲で、担当業務や進め方、匿名の事例を聞きます。
一方で、説明できない実績を根拠に、能力を確認済みとして扱うことも避けます。見せてもらえた資料と回答の範囲を記録し、確認できたことと未確認のことを分けます。
ヒアリングと提案では、自社の事情に合う理由があるかを見る
サービスと顧客を理解するための質問があるか
相談時には、何を販売するかだけでなく、顧客が何に困り、何を比較し、どこで迷うのかを共有します。制作会社がその情報をどう確認し、構成や表現へ反映するかを聞きます。
質問の数が多ければよいというわけではありません。すでに渡した資料を踏まえ、不明点を整理しているか、今回の目的に関係する話ができるかを見ます。
デザインや構成の提案理由を説明できるか
「このデザインが流行している」だけでなく、「初めての利用者が対象条件を判断できるよう、冒頭で対応範囲を示す」といった理由があると、提案を検討しやすくなります。
自社の希望と異なる提案を受けた場合も、その理由を聞きましょう。希望をそのまま受け入れるかどうかより、目的に照らして選択肢や影響を説明できることが大切です。
できることと、まだ判断できないことを分けているか
詳細が決まっていない段階では、費用や納期、成果を断定できない場合があります。何を確認すれば判断できるか、どんな前提で提案しているかが説明されているかを見ます。
たとえば「フォームの仕様が決まれば作業範囲を確定できる」という回答は、確認が必要な理由を示しています。即答できることだけを評価せず、未確定事項の進め方も比較しましょう。
制作範囲と担当体制は、契約前に具体化する
「制作一式」の中身をそろえる
企画、原稿作成、撮影、図の制作、デザイン、実装、フォーム、計測、公開作業のうち、どこまで含むかを確認します。実装とは、ブラウザで表示して操作できるページにする作業です。
同じLP制作でも、デザインデータだけを納品する場合と、フォームの送信確認まで行う場合では完成状態が異なります。自社が必要な状態まで誰が担当するかを明らかにします。
金額の比較は、この範囲をそろえてから行います。安い提案に不足する作業を加える必要があるなら、その費用と担当を確認します。見積書に含まれる作業と、自社で担当する作業を並べ、抜けがないか確認しましょう。
相談窓口と制作中の窓口を確認する
営業担当、進行を管理する担当、デザイナー、実装担当など、役割を聞きます。一人が兼ねる場合も、複数人で担当する場合もあります。人数だけでなく、誰が質問を受け、誰が判断をまとめるかを確認します。
外部の協力者が制作すること自体で良し悪しは決まりません。内容の共有、品質の確認、修正依頼の取りまとめを誰が担うかが重要です。担当者が不在のときの連絡方法も確認しておくと、進行中に迷いにくくなります。
連絡方法と確認の進め方が自社に合うか
メール、チャット、定例打ち合わせなど、どの方法で相談するかを確認します。返信の速さだけでなく、質問への回答が具体的か、決まったことを記録して共有できるかも判断材料になります。
社内の確認に複数部署が関わる場合は、その事情を伝えます。いつまでに何を確認すべきか、修正意見をどうまとめるかがわかると、制作側と発注側の両方が進めやすくなります。
修正・納品・公開後の対応まで確認する
修正回数に加えて、変更の扱いを聞く
原稿、デザイン、実装後のどの段階で確認できるか、修正回数をどう数えるかを聞きます。色や表現の調整と、目的・構成の変更では、必要な作業が変わります。
追加作業が必要な場合は、作業前に費用と納期への影響を確認できるかも聞きます。制作中の判断をその場の印象で済ませず、合意内容を残す方法を決めておきましょう。
何を受け取り、誰が管理するかを確認する
公開済みのページ、HTMLなどのファイル、編集用データ、更新用の管理画面など、納品されるものを一覧で確認します。公開されたページを使えることと、編集データまで受け取れることは別です。
ドメインやサーバー、フォーム、計測の管理者も確認します。自社で情報を更新できるか、別の会社へ依頼先を変える場合に必要な情報を引き継げるかも、運用上の判断材料になります。
データの利用範囲や編集・引き継ぎの条件は、依頼内容によって異なります。納品されたから自由に転用できると決めつけず、必要な利用方法を先に伝え、条件を文書で確認します。
不具合対応、情報更新、改善を分けて聞く
フォームが動かない場合の確認、料金変更の反映、成果の分析、構成の改善は、それぞれ異なる業務です。「公開後もサポートします」という回答だけで、すべて含まれるとは考えないようにします。
必要な支援の内容、期間、連絡先、費用を聞きます。改善支援を希望するなら、数字を見るだけで終わるのか、改善案の提案や修正まで行うのかも確認します。
公開後の受付担当が得た情報を、制作側と共有できるかも考えましょう。申込件数だけでなく、対象に合う相談だったかを見直すためには、自社の運用担当との連携も必要です。
SEO・AIO対応は、名称と成果の約束だけで判断しない
SEOは検索エンジンで情報を見つけてもらいやすくするための取り組みです。AIOという言葉は、AIによる検索・回答で情報を理解・参照してもらうための取り組みを指して使われますが、依頼先によって業務範囲は異なります。
「対応しています」と言われたら、原稿の整理、ページ構造、設定の確認、公開後の測定など、実際に行う内容を聞きます。誰が何を確認し、どんな報告を受け取れるかまで具体化します。
Googleは、Google検索のAI機能について、従来のSEOの基本が有効であり、特別な最適化を別途行う必要はないと説明しています。Googleの説明を、すべてのAIサービスに共通する保証として扱うことも避けます。
AIからの紹介や引用について実績を聞く場合は、どのサービスで、いつ、どんな質問をして確認したかを尋ねます。観測した結果と、今後の見込みを分けて説明できるかを見ましょう。
この確認は、LP制作会社をSEOやAI対策だけで選ぶためのものではありません。必要な支援が依頼範囲に含まれるかを把握するためです。LPの目的や集客方法に合う対応を相談します。
相談時にそのまま使える質問リスト
最初からすべてを質問する必要はありません。自社の必須条件に関わるものから聞き、回答と確認資料を残します。
- 今回の目的に近い事例はありますか。その事例では何を担当しましたか?
- 当社のサービスを理解するために、どんな資料や打ち合わせが必要ですか?
- 原稿・写真・フォーム・計測・公開作業は、どこまで依頼できますか?
- 提案する構成やデザインには、どのような理由がありますか?
- 実際の制作窓口は誰で、どのような体制で進めますか?
- こちらが確認する時期と、修正の伝え方を教えてください。
- 追加費用が必要な変更は、作業前に相談できますか?
- 納品されるデータと、自社で更新できる範囲は何ですか?
- 公開後の不具合や情報更新は、どの範囲・期間で対応しますか?
- 改善支援では、測定・提案・修正のどこまで行いますか?
回答の言葉だけでなく、具体的な説明があったかを記録します。「対応可能」で終わった項目には、範囲と条件を追記してもらうと、後から比較しやすくなります。
同じ依頼内容を渡し、必須条件から比較する
比較するための共通メモを作る
目的、対象者、流入経路、用意できる素材、必要な機能、希望日、予算、公開後の体制をまとめ、各候補へ同じ内容を伝えます。依頼条件が変わった場合は、比較対象にも同じ変更を共有します。
一方で、各社の提案を同じ形に無理にそろえる必要はありません。共通条件に対して、どのような方法を提案したか、その理由を比べます。
回答と根拠を一緒に記録する
| 確認項目 | 記録する内容 | 未確認なら聞くこと |
|---|---|---|
| 目的への理解 | 提案理由と、ヒアリングで確認された課題 | なぜその構成を提案したのか |
| 関連実績 | 事例の条件、担当範囲、確認できた資料 | 今回にも活かせる経験は何か |
| 対応範囲 | 含む作業、別料金、自社で行う作業 | 未記載の作業を誰が担当するか |
| 進行体制 | 窓口、連絡方法、確認の予定 | 不在時や変更時の対応方法 |
| 納品・運用 | 受け取るもの、更新方法、支援条件 | 引き継ぎに必要な条件と費用 |
| 費用・日程 | 今回の条件での総額と進行予定 | 金額や納期が変わる条件 |
空欄を「対応しない」と決めつけず、未確認として残します。必須の機能や公開条件を満たせない候補と、回答待ちの候補は区別しましょう。
合計点だけで決めない
点数を付ける方法もありますが、今回必要な条件を満たさない場合、ほかの項目で高得点でも依頼できないことがあります。まず必須条件を確認し、その後に提案、進めやすさ、費用などを比べます。
最終的には「なぜこの会社へ依頼するか」を社内で説明できる状態にします。たとえば、原稿から任せられ、公開後は自社で更新でき、確認日程も合うといった具体的な理由を残します。
具体例:同じ会社でも、依頼条件によって相性は変わる
次は選び方を理解するための架空の例です。実在する制作会社やFORCE JAPANの対応範囲を示すものではありません。
初めて法人サービスのLPを作る会社が、原稿も構成も未定で、公開後は社内で文章を更新したいとします。候補Aは支給された原稿のデザイン・実装が中心、候補Bは取材と原稿作成、更新方法の案内まで提案したとします。
この条件なら、Bの支援範囲は自社の不足している役割に合います。ただし、追加費用、確認日程、実際に更新できる範囲がわからなければ、決定前に確認が必要です。
一方、社内で原稿と構成を完成でき、更新を別の担当へ任せられるなら、Aの進め方が合う可能性もあります。AとBの優劣を一律に決めるのではなく、自社が必要とする作業との適合を見ます。
制作会社の規模や知名度、デザインの好みも参考にはなりますが、最終的には「今回の目的に必要な仕事を、合意した条件で進められるか」を確認することが重要です。
LP制作会社選びでよくある質問
Q. 同じ業界の実績がある会社を選ぶべきですか?
参考になる経験ですが、それだけで決める必要はありません。対象者、流入経路、申込行動、説明する内容など、今回と近い課題にどう対応したかも確認します。
Q. デザインが好みなら依頼しても大丈夫ですか?
候補にする理由にはなりますが、原稿、実装、フォーム、公開後の対応も確認します。掲載実績の担当範囲と、今回の担当体制を聞きましょう。
Q. 大きな会社の方が安心ですか?
規模だけでは判断できません。今回の担当者、連絡方法、品質を確認する体制、必要な作業への対応が自社に合うかを見ます。
Q. 何社に相談すればよいですか?
一律の正解はありません。必要な条件と違いを理解できる範囲で候補を比較します。社数を増やすことより、同じ依頼内容への回答を確認することが大切です。
Q. 原稿がなくても制作会社を探せますか?
探せます。原稿作成から相談したいと伝え、取材や執筆が対応範囲に含まれるかを確認します。サービスの情報と、自社で事実確認する担当者は用意しましょう。
Q. 公開後の改善もまとめて頼むべきですか?
自社の体制と必要な支援によります。計測、分析、提案、修正を誰が担うか整理し、不足する部分を依頼します。制作と同じ会社に頼む場合も、範囲と費用を確認します。
まとめ:自社の目的に合う支援と、進め方で選ぶ
LP制作会社は、目的の理解、実績の条件、制作範囲、担当体制、修正・納品、公開後の対応を確認して選びます。価格や見た目に加えて、今回必要な仕事を任せられるかを見ましょう。
まずは依頼内容と必須条件を整理し、候補へ同じ情報を伝えます。回答と根拠、未確認の項目を比較表に残すと、印象だけに頼らず判断しやすくなります。
LP制作を相談する際は、目的、用意できる資料、任せたい作業、公開後の運用方法を合わせて伝えると、必要な支援を整理しやすくなります。FORCE JAPANのサービス案内を見る




